• 長久手市大学連携推進ビジョン4U

私の部署名の「たつせがある」、あまり耳なじみないかと思いますが、長久手市長がつくった言葉です。「立つ瀬がない」から転じて「立つ瀬がある」。つまり、役割や居場所があるという意味で使っています。

 

現在、長久手市では「大学連携基本計画」というものをつくろうとしています。本日この時間をお借りして、この計画をつくるにいたった背景や展望について、学生の皆さんと一緒に考えたいと思います。

 

長久手市には、大変なお宝があります。それは、長久手に通う大学生の皆さん、そして大学です。まちに長く住む方々には気付かないような視点を持っていらして、それが地域との交流によって人々に気付きを促したり、まちについて再発見するきっかけを与えることになります。また大学に蓄積された知識や情報、そしてノウハウといったすばらしい社会資本は、さまざまなまちの課題を解決するのに大いに寄与する可能性があります。

 

長久手市は、東西約8キロ、南北約4キロの小さなまちです。そこに愛知医科大学、愛知県立大学、愛知県立芸術大学、愛知淑徳大学という4つの異なる大学があります。2017年4月末の発表では、人口56841人。それに対し、長久手に通う大学生は12585人。加えてリニモ沿線を見てみると、大学10校のキャンパスに囲まれています。視察や研修で集まった全国の方からも、「大学がたくさんあってすごい」と驚かれる。希に見るユニークなまちです。こうした恵まれた環境の中、その大学や学生の皆さんの力をもっともっとお借りして、まちづくりに活かしたい。そんな思いから「大学連携基本計画」をつくることになりました。

 

東洋経済新報社による自治体の「住みよさランキング」を見てみますと、長久手市が町から市になって以来、4年連続で総合10位以内、最新のランキングでは全国3位でございました。また、平成22年度国勢調査によりますと、人口増加率は県内1位、平均年齢も37.7歳で全国一若いまちという結果です。人口も継続的に増加し、若くて元気なまちといわれていますが、課題がないわけではありません。

 

例えば、将来の課題に触れてみます。2050年頃には、長久手市も人口が減少し始め、経験したことのない超高齢かつ人口減少社会を迎えます。要介護者や認知症の患者、孤立死が増え、そして社会保障費や公共施設の維持費が増える反面、税収は減る…といった課題がいずれやってきますが、本当に困ったという状況になったとき、行政だけでは解決できません。人口の減少によって税収が減ると、市役所の職員も不足し、行政に任せていたことが成り立たなくなるからです。また、人手が減るということは、アイデアの多様性も減るという結果につながります。

 

そのため、大学の力、そして学生の皆さんの力、市民の皆さんの力、企業の力、この地域に関わる多くの力が必要となってきます。現在、長久手市の職員は前例を踏襲するのではなく、まちの多様な人々の考えを受け入れる、柔軟な仕組みづくりをしています。多くの人の意見を取り入れたまちづくりに、学生の皆さんならではの力を貸していただきたいです。

地域の課題を皆さんと共有し、これから一緒に考えていきたいと思っています。「大学大学連携基本計画」を通じ、そういった連携をスムーズにするための拠点や、今ある連携を継続化できるようにする仕組みをつくっていきたいと考えています。

 

市にとっての大学連携のメリットをお話してきましたが、大学の発展にとっても、お互いの関わりが欠かせないと思います。学生の皆さんも、もっと地域という実践の現場を大いに活用し、まちの人々と交流していただきたいと思います。まちのそれぞれの立場の人が、役割と居場所をもって自らのまちづくりに関わるという新しいまちの形を目指して、100年先の長久手市がさらに魅力的になるように、大学と地域の連携を深めて、それぞれの強みがもっと活かせるようにしていきましょう。

(2017年6月28日、第1回ワーキング、愛知医科大学)