• 長久手市大学連携推進ビジョン4U

小島: 藤本さんは卒業して2年たちますが、学生時代はどんなボランティア活動をしていましたか?

藤本:長久手市内の農家さんと一緒に、有機栽培でお米づくりにチャレンジするというボランティアで、いわゆる食育活動。これが私の入り口でした。

小島:きっかけは、どのようなことからでしたか?

藤本:愛知淑徳大学内にコミュニティ・コラボレーションセンターという、ボランティアの情報を探したりできる場所があるのですが、入学して10日もしないうちにそこへ行って(笑)。スタッフさんから「こめ☆こめくらぶ」という学生ボランティアサークルを紹介され、最初は田植えに行ってきました。

小島:それまで田植えとか、ボランティア活動は?

藤本:高校3年生のときに勉強していたものの、実際にしたことはなくて。高校卒業間際には、大学生になったら絶対にボランティア活動で地域に飛び出すぞ!という思いが強くなっていたので、入学後すぐに行動につながったと思います。

小島:それ以降は、どのような活動をしていたのでしょう?

藤本:子どもたちの生き物教室のボランティア活動など、たくさんあって思い出せないのですが、大きなものでは名古屋コーチンを広める「名古屋コーチン盛り上げ隊」と、奥三河の設楽町で地域活性を目指す地元の人と一緒に、ニーズに沿った活動をする「きらきらしたら」です。

小島:その設楽町での活動をするのに、確か大学を休学しましたよね。

藤本:はい、1年間休学しました。「地域おこし協力隊」という総務省の制度を活用して、住民票も現地に移して、実際に暮らして、生の声を聞くことを大事にして、1年間活動しました。

小島:ボランティア活動を通じて、どのようなことを学びましたか?

藤本:一番学んだことは、人の思いに寄り添うことの大切さです。自分の周りにはすばらしい人たちがいて、その人たちの温かな思いに寄り添いながら、チャレンジできるチャンスがたくさんあると知りました。

小島:そうした活動は、進路を考える上でも関係しましたか?

藤本:私がいろいろ活動するにあたって、一番大事にしてきたのは地元の人たちの声なので、地元の人と地元のニーズに応えたいという気持ちで、岡崎市役所への就職につながったと思っています。

小島:今は実際、どんなことをしていますか?

藤本:実は今年の3月いっぱいで岡崎市役所を退職しまして、今は名古屋YMCAのボランティアセンター担当として働いています。自分の能力不足もあるのですが、私が望む地域の人たちとなかなか思うような関わり方ができなくて、こういうところを助けて欲しいという人たちに、もう少し近づける場所があるのでは…という思いが少しずつ芽生えて、今に至っています。

小島:お仕事をしていく上で、学生時代の活動は生かされていますか?

藤本:人との関係性を大事にし、思いを聞くという学びは、市役所時代にもこの人は何をしていきたいのか聞き出すスキルに生かされていたと思います。もちろん社会人基礎力といわれる部分は、人との関係をつくり上げていく上でも大事なので、あ、ここで役立っているなと思う瞬間が、社会人になった今、たくさんあります。

 

小島:櫻木くんは「りにさい」の代表ということですが、「りにさい」とはどんな活動をしているのでしょう?

櫻木:「リニモ沿線合同大学祭実行委員会」と長いので、略して「りにさい」と呼んでいます。今年で6年目になりますが、発足のきっかけは、愛知県立大学の先輩たちが、東日本大震災の被災地でボランティア活動を行ったことからです。そこで、普段からの近所付き合いがあって、人のつながりが強い地域ほど被害が少なく、助かる人が多かったという話を聞いたそうです。リニモ沿線や長久手市内には多くの大学が集まっているので、普段から地域の方々と学生のつながりをつくり、万一の災害時にもお互い助け合おうということを理念というか思いとして活動しています。

小島:そんな櫻木くん自身は、大学に入学するまでボランティア活動とは無縁だったそうですが、なぜ参加しようと?

櫻木:大学入学前、自分のことをクソだと危機感を持っていた時期があって(笑)、とにかく自分を成長させたいと思っていました。そんな思いを、入学後に大学職員の方に話したら、愛知学院大のボランティアセンターを紹介してくれました。行ってみたら、先輩たちの雰囲気がよくて、初めて顔を出したのにすぐに募金活動に参加することになり、参加したらSNSにあげられ、部員登録する前から新入部員でしょっていう空気になって、やめるにやめられなくなりました(笑)。

小島:活動によって、自分の中に何か変化はありましたか?

櫻木:こうした場に呼ばれる人間になるとは思わなかったのですが、さまざまな活動を通して、いろいろな方々とのつながりを大切にしてきた結果かなと思います。そのつながりを大事にすると、また新たなつながりが生まれて、いろいろな考えや価値観を持っている方と出会う機会ができ、自分の世界が広がっていきますね。もともと人見知りなのですが、いろんな人と触れ合い、ボランティア活動をしていく中で、コミュニケーション能力や行動力、積極性は少しずつ備わっていったのかなとは思います。

小島:活動は忙しいと思いますが、アルバイトなどは?

櫻木:以前はドラッグストアでバイトをしていたのですが、シフトが固定されて活動に参加できないこともあるので、今は派遣会社に登録して、行けるときだけバイトをして、ボランティア活動を優先にしています。

小島:藤本さんはどうしていました?

藤本:私もボランティアしたい気持ちが強かったので、二つ掛け持ちしていのですが、バイトの日とボランティアの日と決めていました。最終的には自分の中でバランスがとれていたとは思いますが、バイトで活動に行けないこともあって、チャンスを逃してきた悔しさは今もあります。

小島:櫻木くんは今4年生ですが、進路はどう考えていますか?

櫻木:ボランティア活動とか学生団体での地域活動をしてきたので、それを生かせるような仕事や職につければと思っています。

 

小島:そうした活動にチャレンジしたいと思っている学生さんたちに、何かメッセージをお願いします。

櫻木:自分も何となく始めて、気づいたらこういう形になっていたので、最初の一歩は何でもいいと思います。楽しいから、友だちに誘われたから、先輩がいい感じだから…でいいと思いますが、そこで終わるのでなく、ご縁をつなげてください。皆さんも、今日こういった機会があって一歩踏み出したので、さらにいろいろな方とつながり、さまざまな社会や地域の問題から学ぶことで、自分の成長や今後の人生の糧になると思います。

藤本:櫻木くんが言うように、入り口は何でもありです。ボランティア活動から得られることはいっぱいで、私も工夫するということを得ました。困難にぶつかったとき、いろいろな角度から物事を捉えられる力がついたと感じています。ボランティア活動は学ぶことも多いし、人という財産をゲットできるし、他にも得られることはいっぱいです。たくさんチャレンジしてもらえるといいなと、いつも思っています。

小島:最後に、学生たちが大学連携の活動をするにあたって、関係者に考えて欲しいこと、知っていて欲しいことなどあったら、お願いします。

櫻木:社会経験のない中で、こういった活動をしている学生もいるので、まずは温かい目で見守ってもらいたいです。つっこみたい部分が多々あると思うのですが、ミスできる環境を大人の方々につくっていただけると、学生も新しいことに飛び込めるし、活動にも参加しやすくなると思います。

藤本:時間はあるけどお金がないというのが学生の現実で、私も交通費とか援助して欲しいなと感じていました。あとはいつもミーティング場所に困っていたので、4大学で集まれて、ボランティア活動の情報もあって、1人でも気軽に入れる拠点のような場所があるといいです。学生にはどんなことが学びになるのか、このためには何が必要なのかとか、考えながらサポートしていただけると、学生も「すぐにやれるかも」という気持ちにつながると思いますので、何卒よろしくお願いいたします。

(2017年6月28日、第1回ワーキング、愛知医科大学)