• 長久手市大学連携推進ビジョン4U

愛知医科大学には、医学部と看護学部の2学部があります。どちらも医師、看護師という職業者養成の場で、基本的にはかなりカリキュラムが過密です。

 

そうした中、昨年2016年度には、長久手中学校や南中学校で行われた「命の学習講座」に看護学部の教員や学生が参加した他、子育て支援や学生ボランティアにも行かせていただきました。また、医大祭での防災セミナーや、「HIAM」という学内のボランティアサークルが「三世代交流ダンス」に参加しており、これらが長久手市さんとの交流です。地域の市民向けに積極的に活動しているかというと、そこはまだまだ今からというところです。

 

医大生、看護学生の一番の大きな特徴は、長久手市にある病院や医院、さらには老人保健・福祉施設に実習に行かせていただいているということです。つまり、何かを提供するというよりも、我々が学習させていただくというつながりが、大きいのではないかと思っています。

 

今、医療の中で何が問題視されているかというと、重度な要介護状態になっても、住み慣れた地域での自分らしい暮らしを目指す「地域包括ケアシステム」です。医師、看護師、医学生、看護学生は、今まで病院の中で何をするかを学べばよかったのですが、今後はどんどん地域に患者さんを返していかなければいけません。病院の中でできることを、そのまま生活に持っていけるかどうか看護学生は考え、医師はというと、例えば患者さんが飲んでいる薬をそのまま家に持ち帰らせていいのか考えなければならない時代になってきました。病院ありきの医療ではなくなったというのが、我々医療の立場から見る地域の特徴だと思います。

 

では医大として何ができるかというと、長久手市は若さが特徴ですので健康維持を促進していくため、予防という観点での医療が必要ではないかと思います。他にも、病気を抱えている人たちの生活に対しての支援やご家族への支援など、医療の観点からできるといいのではないかと考えています。

 

ところで、他の3大学の皆さん、もし地震が起きたら大学に孤立してしまうと心配になりませんか。医学生看護学生は、自分たちが学習していること、災害が起きたときに何ができるかを、皆さんに伝達できると思います。そして我々が常に考えているのは、医学生や看護学生が出向いて何かをするだけではなく、それを各大学の中でどんどん広げていただけるようなシステムをつくること。何万人という学生さんが助かるよう、考えていきたいと思っています。

 

そのため、今後検討している活動がいくつかあります。一つは学生による住民や学生に向けた応急手当や心肺蘇生講習。各大学の学生さんが自大学の学生さんに指導できるよう、私たちは指導者を養成する側に回りたいと思っています。次に、学生による学生のための健康教室。アルコールやタバコなど目の前にある問題を学生同士で考える上で、イニシアチブをとっていければと思っています。また、学生企画による小中学生向けのオープンキャンパスや、各大学の皆さんに災害時のトリアージを体験していただくなどしていきたいと思っています。

 

愛知医科大学の理念に基づいて、地域住民および近隣大学生の健康増進、疾病予防に貢献することが、私たちに与えられている使命です。なので、医学生、看護学生は医療を学ぶ者としての責任を自覚し、モチベーションを向上するために、皆さん3大学のお力を借りたいというのが正直なところです。彼らは医学という箱の中にいるので、基本的には就職活動というものがあまりありません。コミュニケーション方法や社会常識など、勉強しないで済んでしまうという一面があります。一般大学の皆さんと共に活動して行く中で、何か学んでいけるのではと教員として期待しています。他大学の皆さんの力も借りながら、長久手市に何か提案できればと考えていますので、よろしくご指導いただけたらと思います。

(2017年6月28日、第1回ワーキング、愛知医科大学)