• 長久手市大学連携推進ビジョン4U

本日は、愛知淑徳大学コミュニティ・コラボレーションセンター、略して「CCC」の全体像をご紹介したいと思います。CCCは、世代や性別、障がいなど、さまざまな違いを越えて学び合い、自分らしく生きるという本学の理念「違いを共に生きる」を実現する場所として、2006年度に開設されました。「地域に根ざし、世界に開く」というテーマのもと、地域との関わりを深めながら、学生が中心となった地域連携を推進しています。

 

いつもの本センターのこの部屋の壁には、地域のボランティア情報などがたくさん掲示されています。また、学生が自ら仲間を集めて活動している「CCC学生団体」を紹介する壁もあります。ここでは、学生団体に所属する学生が新しいメンバーを勧誘していたり、地域活動の準備をしていたりと、活発な様子が見られます。また、毎日のように「CCC学生スタッフ」が在室し、訪れる学生たちの相談にのるなどして運営を手伝ってくれています。

 

今年、学生スタッフの発案で、CCCを訪れる学生たちに向け、「あなたにとってCCCとは?」という問いかけをする企画を実施しました。その結果、学生たちからは「新しい出会いが見つかる場所」「新しい自分を発見できる」「新たな発見ができる場所」「人とのつながりが感じられる場所」という回答が返ってきました。ボランティアなどを通じて地域とつながることが、これまでにない新たな経験をもたらしてくれるものと捉えているようです。

 

こうした学生のために、私たちスタッフは学生それぞれの成長やニーズに応えられるような仕組みを用意しつつ、地域連携を推進しています。それには大きく三つあります。一つ目はボランティアのコーディネートです。地域や学生からの要望を聞きながら、各分野のボランティア情報の紹介を積極的に行っています。教室を飛び出し、現場に行けば、地域社会の実態を手や目や耳で感じ、体全体で学ぶことができます。このような機会を通じて、地域とつながる楽しさや意義を感じてもらいたいと思います。

 

二つ目は、学生団体へのサポートです。CCCには既存のボランティアだけではなく、学生ならではの働きかけを自主的に立案して、実行しようとする学生たちがいます。自分たちが見出した課題の解決に向けて、継続的に取り組むためです。この活動を支えるために、「CCC学生団体」と呼ぶ登録制度を設け、スタッフが伴走しながらアドバイスをしたり、またミーティングの場所や機材の貸し出しなどを行っています。また資金不足など金銭的な問題が活動の妨げにならないよう、「チャレンジファンド」という助成金制度を学内に設けており、毎年6月に公開コンペを実施しています。

 

三つ目は、CCC科目の開設です。地域との連携や活動推進に求められる知識・マインド・スキルを相乗的に高められるようなカリキュラムをつくり、学びを深める機会を提供しています。ボランティア体験をどのように深めていけばよいかわからないといった声や、学生団体での活動のために少しでもスキルアップしたいという声が多かったため、昨年度からはスキル強化の科目を増やしています。実際の授業では、既にボランティア活動をしている学生とそうでない学生が出会うなど、学生同士が刺激し合いながら学んでいます。

 

では、このCCCを活用している学生たちは実際どのように感じているのか、学生の声をご紹介したいと思います。「知的障がいを持っている人が一生懸命に取り組んでいる姿を見て、自分も夢中になれた。人が人の心に語りかける力の強さを知った」。これは、今年7月に本学で行った「障がい者アスリートとスポーツをしよう!」というボランティア活動(スペシャルオリンピックス日本・愛知との共催)に参加した学生の声です。彼は、自分に何ができるのかを悩みながら参加したのですが、「まず、一生懸命やることで、そこに自分がいてもいいんだと思えた。そして、自分が一生懸命人に語りかけたら、その想いは伝わるんだなと思った。」とも振り返っていました。

 

また、科目「CCCスタートアップ講座」で行ったグループワークで、学生が得た気づきをご紹介します。「さまざまな問題を持つ人がつながることで、支援を必要としている人が支援をする側に回ることができると気付いた。そのため、自分が大学だけでなく、さまざまな人と交流を持つことで、社会問題のつながりを見つけられるのではと思った」。これは、まだボランティア経験のない学生から出た言葉でした。まだ一歩を踏み出してはいないけれど、授業を通して知り得たさまざまな地域の課題と自分の関心とが合わさったことで、自分が地域に関わる意義を見つけられそうな予感がしているようです。彼女の次のステップがとても楽しみです。

 

CCCを訪れる学生たちは、いろいろな動機や想いを持っています。初めて来た人の中にも、「何もできないかもしれないんですけど、何かやってみたいんです」という人、あるいは自分で地域活動の目的をしっかり定めていて「こういうことがしたいです!」とスタッフに熱く伝えてくれる人などがいます。また、いくつかの体験を経て「何かできる気がする」と自信を高めていく人もいます。やりたいことも、できることも人それぞれですが、先ほどお伝えした三つの仕組みを積極的に利用してもらい、試行錯誤をしながらでも自分の成長を自分らしくつくっていける場になればと考えています。

 

最後に、私たちが大切にしていることをお伝えします。ブイ・チ・ トルン先生(交流文化学部教授、前センター長)がセンター開設時に寄せてくださった言葉です。「今日もCCCのドアーが広く開いており、君たちのために開いている。ちょっとの勇気を。はじめの一歩が、君たちの人生を十倍も百倍も楽しく有意義なものにしてくれると信じている」。いろいろな人がいて、誰もが自信満々でこの場所を訪れるわけではありません。だからこそ私たちスタッフは、CCCでの活動が誰にでも開かれている成長のチャンスになることを意識して、一人一人の声に耳を傾けることが大切だと考えています。このことが学生たちや地域の方々にどのように映っているか、はっきりはわかりません。それでも、学生たちの頑張りと笑顔、そして地域の皆さまからの叱咤激励を支えに、走り続けたいと思います。

(2017年8月4日、第2回ワーキング、愛知淑徳大学)