• 長久手市大学連携推進ビジョン4U

「SOSの早期発見、早期対応ができる地域づくりのため学生さんと共に連携しています」

松宮:今日は愛知県立大学の卒業生で、今は長久手市役所で働いている野村さんと、長久手市の社会福祉協議会で働いている加藤さんに、学生時代に関わっていたボランティアについて、また今の学生とのつながりについて、働く立場から紹介していただければと思います。現在の仕事内容等を野村さんからお願いします。

野村:長久手市役所に入って3年目になります。私は社会福祉学科卒業で、学生時代は「めだかの会」や「DoNabenet」にも入っていました。こうした学生団体で活動していくうちに、長久手市がどんなまちか気になり、イベントで地域の方と出会ったりする中、「なでラボ」に入ることになりました。それは、市の職員さんと長久手市の若い人たちがまちづくりについて考える会で、学生と地域の人をつなげるというところが、私の中ですごく楽しみになり、市役所で働きたいという思いから就職につながりました。皆さんも大学3年生からは特に忙しいと思いますが、学生時代は自分がやりたいことを目一杯やれる時期です。社会人になってからそう感じることが多いので、自分の活動だけでなく、今日のようにいろいろな活動をしている人と関わると、より視野が広がると思います。

加藤:長久手市社会福祉協議会のコミュニティソーシャルワーカーといいまして、地域の福祉の何でも相談員をやっております。僕も愛知県立大学の卒業生で、名古屋市で3年間医療ソーシャルワーカーという病院の相談員をやっていました。その後、働きながら県大の大学院に進学することになり、今年の4月から博士課程に入っています。現在は、地域の中で自らSOSを出せない人、ゴミ屋敷だったり引きこもりや不登校、あるいは発達障がいなど、福祉の制度をあてはめれば解決するという問題ではなく、対応できる制度がなかったり、さまざまな福祉課題を抱えている方を地域の中で発見し、いかに地域で支え続けられるかという仕組み、「地域包括ケアシステム」とか「我が事・丸ごと地域共生社会」とか、そんな名称で耳にすると思うのですが、そうした仕組みづくりを住民の方と一緒につくる仕事をしています。

 

松宮:野村さんは学生時代から「なでラボ」などに参加していて、まさにボランティアと行政とのつながり、地域とのつながりというネットワークがありましたが、そうした場でもっと大学生とつながりたいという声を結構聞きます。野村さんの立場から見て、こうしてつながればこんなことが一緒にできるのではないか、あるいは地域の人たちはこんなことを求めているんだということを、紹介してもらえますか。

野村:「なでラボ」は市の若手職員と地域の若い人を合体させて、手探りの状況から始めたので、最初はまちづくりのプロに入っていただいていました。ワークショップをしながら、まちの課題だけでなくいい部分を発見したり、自分たちのしたいことを視察にいったり、職員と市民の枠を取っ払った感じで、みんなが一から勉強するという環境でした。そういう中に学生さんが入ってくれると、職員や市民とは別の視点で長久手市への要望があり、明るい意見を出してもらえると感じています。また、市役所や地域の中で一つの活動をしている人は、枠にはまった考え方やものの見方をしがちですが、学生さんが1人加わることで、すごく変化することがあるので、難しく考えずに気軽に来てもらえるといいですね。

松宮:学生の側からすると、そういった市やまちづくりの方と一緒に活動するのは敷居が高く感じるようですが、野村さんは最初どうでしたか?

野村:松宮先生の紹介で「なでラボ」に参加することになったのですが、最初はとても緊張しました。予定表には3回分の予定しか載っていなかったので、3回で終わると思っていたら、「1年間通して頑張りましょう!」みたいな雰囲気で(笑)。少々予想外ではありましたが、他の方も初めてという状況で、「学生さんなんだね、どんな活動してるの?」とか話しかけてもらえて、楽しく続けられました。

松宮:長久手市は、大学生が関われるような企画が盛りだくさんです。もちろん最初はハードルが高いと思いますが、受け入れる土壌は整っているので、少し考えていただければと思います。

 

松宮:加藤さんにお伺いしたいのですが、社会福祉協議会では「子ども食堂」や子育てのボランティアなど、いろいろな活動を学生としていると思います。大学生と行っている活動を、具体的に教えてください。

加藤:僕が社協に転職をしたときに、福祉の何でも相談員が地域にいることを周知する必要がありました。同じタイミングで「DoNabenet」が「土鍋やります」というちらしを配るというので、僕のちらしも学生さんと一緒にポスティングしたことがあります。県大の授業にお邪魔させていただいた関係で、県大の学生さんには「子ども食堂」にも入っていただいて、当日のお手伝いや宿題を見てもらうボランティアをお願いしています。そんな中で、大きく紹介したいのは、学生さんたちとつくっている「あさがお」という子育て応援冊子です。長久手市は転入世帯が多く、第一子が生まれたものの育て方がわからないという母親も多い。近くにママ友もいないし、自分の親も遠く離れてしまった。孤立しがちなお母さんも多いと聞きます。そんな話を学生としていて、赤ちゃんの心の発達やパパママのストレス軽減法、子育てサロンの紹介や、困った場合には相談員もいますよ、という情報をまとめた冊子を一緒につくることになりました。もう一つは、小学校区内にある集会所をお借りして、1歳から5、6歳までの子育て中のお母さんに自由に過ごしてもらうという企画を計画しています。学生さんが子どもの面倒を見ている間に、ゆっくり休んでください、おしゃべりしていてもいいし、読書していてもいい、何でも好きなことをしてくださいという企画です。こちらから学生さんには専門的な知識を話し、反対に学生さんからは若いアイデアの提案、ちらしの作成やポスティングをしてもらっています。こうしてSOSの早期発見、早期対応ができる地域づくりという意味合いで、一緒に連携をさせていただいています。

松宮:最初のワーキングで小島先生がおっしゃったように、こうした活動は、地域にとっても学生にとってもハッピーじゃないといけないと思います。学生側は地域とつながれば、もっと大きな活動にできるし、困った事があれば大人が支えてくれるかもしれない。逆に地域側は、学生の力をうまく借りることで、冊子づくりや子育ての場などでハッピーな状況が生まれる。例えば、芸大の学生さんと一緒に冊子をつくれたらもっといいのでは、医大の学生さんならもっと違う視点で活動が進んで行くのでは、とまだまだつながりができると思います。皆さんは既にいろいろな活動をされていると思いますが、今ある課題とか、より今後ハッピーになっていける方法を話し合って欲しいと思います。

(2017年9月20日、第3回ワーキング、愛知県立大学)