• 長久手市大学連携推進ビジョン4U

年齢、障がいの有無などに関係なく、誰でも参加できる空間を作りたい。いろんな人が共生しているということを知ってほしい。「楽生部会(がくせいぶかい)」は、そんな思いからできた学生団体です。どんな人も参加でき、同じ空間を共有できるイベントを開催したいと思い、「Zepp Nagoya」というライブハウスで音楽を軸に最高の空間をつくることを最終目標にしています。その最高の空間には、三つの条件があります。

 

一つ目は「誰でも来ることができる」。行こうと思ったらすぐに行動できる人ばかりでなく、障がいや心に不安など抱えている人は、行こうと思っても少し躊躇してしまう場合があります。それをなくし、誰でも来ることができる空間が必要だと思っています。

 

二つ目は「誰でも居場所を見つけられる」。誰でも来ることができる場所が、訪れた人すべての居場所になるようにという思いがあります。そのためにはどうしたらよいかを外部の人たちにもお願いをして、アンケートや聞き取り調査をしています。

 

三つ目の「誰もが誰かを理解することができる」は、境遇や価値観の違う人と出会うこと、話すことで、偏見や差別のようなものがなくなるのではないかと思っています。理解し合うことで、それぞれの居場所ができることもあります。この三つが達成できると、最高の空間が生まれ、みんなが来られると思っています。

 

では、どうしたら実現できるのかですが、私たちには大事にしていることが六つあり、まず一つ目に「自分のできることを自分のできる範囲で楽しいことだけやる」というのを挙げています。「楽生部会」の「がく」に「楽」という字を使っているのも、みんなで楽しもうという意味を込めてです。メンバーもすべての企画に絶対参加というわけではなく、楽しそうだなと興味を持ったものにだけ参加すればいいという考えです。障がい者の方とか弱者といわれる方たちだけのためでなく、企画する側、関わっている人全員が楽しめるようにやっていけたらと思っています。

 

二つ目には、「さまざまな意見を直接聞きに行く」があります。私たちは経験不足で知らないことが多く、偏った企画になる危うさもあります。よりみんなが楽しむには、さまざまな立場の方の意見を聞き、いろいろな視点を知り、企画に生かしていくことが必要です。それも直接聞くことが大事で、文面でやりとりすることはできますが、直接話すことによって相手との距離が縮まると思うんです。距離感が近いと込み入った話もしやすくなるので、直接のやりとりを意識するようにしています。

 

そして三つ目は、「学部学科を問わずメンバーを集める」。なぜかというと、こうした活動は福祉系の学生ばかりが集まりがちで、専門用語ばかり使ってしまったり、偏りが出てきます。よりみんなが楽しめる状態にするには、福祉系の学生以外の学生も巻き込み、さまざまな意見を取り入れることで、より多くの人が楽しめる企画をつくっていけると思っています。

 

他に、目標実現に向けて行うこととして「学生の特権を生かす」「他大学ともつながる」「社会に訴えられるようにアウトプットする」を掲げています。学生の特権を生かして他大学と連携すれば、さらに活動が広がり、その他の意見を取り込むことができるようになります。何か行動を起こすだけで注目を浴びるのも、学生の特権で、それを最大限に生かし、社会に対して行動していけたらと思っています。フットワークの軽さも、時間のある学生にしかない特権で、それを生かして行動していくことが最高の空間づくりにつながっていくと思っています。

 

「楽生部会」はまだ今年4月にできたばかりですが、活動の一つとして「愛知トライ」に関わらせていただいています。これは、「店舗の利用に困難のある方へ お手伝いします お気軽にどうぞ」というステッカーをお店や施設の方に貼っていただけるように交渉し、同時に「障害者差別解消法」についても知っていただくという活動です。お店の方側の意見や、車椅子ユーザーの方と一緒に行動する中で直接話を聞くことができるため、いろいろなことに気付け、最終目標である「最高の空間をつくる」につながるいい経験です。

 

その他の活動として、交流会も行っています。愛知県立大学のジャズサークルに依頼して、車椅子利用者の方が住んでいる施設で演奏をさせていただきました。その演奏後に交流会という形で、「楽生部会」とジャズサークルのメンバーが、高齢者の方々と関わる場を設けました。楽生部会のメンバーはもちろんですが、ジャズサークルのメンバーを巻き込んで、楽しい空間をつくることができました。

 

11月には「県大祭」が行われるのですが、多くの人に来てもらうにはどうすればよいかを話し合っている最中です。まず県大調査といって、愛知県立大学内の不便な箇所の調査を行いました。車椅子や白杖を使っている方と一緒に行動しながら、どういう不便な点があるかを確認しました。また、高齢者体験セットを借り、高齢者の方々の視界や動きにくさを実際に体感しながらの調査もしました。この調査を「県大祭」に生かしたいと思っています。

 

こうした活動を行っていますが、興味を持った方は連絡をください。何か違うなと思ったら、やめても構いません。30人ほどのメンバーは、学年もばらばらで、学部も福祉系だけでなく文学部などいろいろな学部の学生がいて、他大学も巻き込んでいます。少しでも興味があったらぜひ参加してください。

(2017年9月20日、第3回ワーキング、愛知県立大学)