• 長久手市大学連携推進ビジョン4U

私の専門はメディアデザインで、長久手市でもさまざまな活動をしております。地域連携の取り組みについて、簡単に紹介させていただきたいと思います。

一つは2014年に立ち上げ、今も運営されているウェブサイト「ながくてゆいまある」。長久手市は大きな消費地でもありますが、いわゆる近郊農業の生産者さんも多く、とれたての新鮮な野菜が食べられるという非常に恵まれた環境です。それは長久手市の特徴でもありますが、こうした市内で近郊農業をされている方、あるいは家庭菜園をされている方を取材し、「ゆいまある」というサイトを通して、農ある暮らしを考えていこうという活動をしています。

次に、毎月1回行っている「フォレスト」。これは始めてから10年近くなりますが、愛知芸大の畑や里山を使って行う、親と子の野外活動ワークショップです。長久手市や名古屋市東部の親子が主に参加され、今年の8月で85回目です。

そして、このあと皆さんにも実際に体験していただく「ながくてピクニック」。これは年1回行われ、今回で8回目になるイベントです。ミュージシャンや料理人、農家、学生などがメンバーで、長久手市内での自然体験を通じて地域交流の場をつくることを目的としています。子どもから大人まで、野外ライブに参加したり、音楽やアートのワークショップを行ったり、採取した野菜や草花を料理して食べたり、参加者の皆さんと一緒につくるイベントです。

それから「三ケ峯里山計画」。これは、特段計画してやってきたわけではないのですが、今までの活動を振り返ると「里山」という言葉がキーワードだと思い、改めて里山というキーワードで活動をまとめたものです。里山とは、自然と人の住む領域が交わっている共生の場。人はそこで薪を拾ったり、キノコや木の実を採ったり、縄文時代から人間がつくってきました。完璧な自然ではなく、少し人間が自然界に手を入れた場所。破壊ではなく、かく乱することによって、より自然が多様化して活性化されることがあると思います。愛知芸大は、里と山、人間界と自然界のちょうど境界。まさに里山じゃないかと思い至り、それまでは特に意識していなかったので、最近は意識的に活動を進め、地域の生態系と暮らしを考えています。

最後に、情報というところでは長久手市観光交流協会のウェブサイト「くってながくて」のデザインも担当しています。長久手の歴史から、飲食、芸術鑑賞、暮らしにまつわるさまざまな地域情報を集めたサイトです。イラストは愛知芸大の非常勤講師のメッツラーさんにお願いしております。

長久手市にはシラタマホシクサ、ハルリンドウ、モウセンゴケなど三河固有の生態系が残っています。その一方で、すぐそこにはリニモが走り、ショッピングモールがあり、人間界と自然界が非常に接近している。こういう土地は珍しいと思います。住宅地で経済的に発展しながら、畑や田んぼもある。そういった貴重なフィールドで、今後も最大限の活動をしていきたいと思います。

(2017年9月23日、第4回ワーキング、愛知県立芸術大学)